最近悪者にされているラウリル硫酸Na(ナトリウム)という洗浄成分。
もう、なんか毒物みたいに扱われているサイトもあったりします。
果たして、本当にそんなに悪い成分なのでしょうか?
目次
ラウリル硫酸Naとは?
はじめに、簡単にラウリル硫酸Naが何か説明します。
ラウリル硫酸Naは洗浄成分で、アニオン界面活性剤です。
参考:界面活性剤とは?
シャンプーだけでなく、歯磨き粉などにも使われています。
泡立ちがよく、洗浄力も高くて、原材料も安いということで、多くのシャンプーに使われていましたが、危険だという声が多くなってきたのもあって、最近はだんだん使われているシャンプーが減ってきているように思います。
ラウリル硫酸Naの製造方法
ラウリル硫酸Naは石油やヤシ油などを還元して得られるラウリルアルコール(ドデカノール)を原料として作られます。
ラウリルアルコールに硫酸を加えてラウリル硫酸ができ、それを水酸化ナトリウムなどで中和することでラウリル硫酸Naが得られます。
オーガニックシャンプーにも使われるラウリル硫酸Na
硫酸系洗浄成分というと石油系というイメージが強いと思いますが、現在ではヤシ油などの植物由来のものがほとんどです。
もちろん、石油から作ろうがヤシ油から作ろうが、最終的にできるラウリル硫酸Naに違いはありません。
特に海外製のシャンプーに多いのですが、オーガニックでもラウリル硫酸Naやココアルキル硫酸Naが使われているものが少なくありません。
注意
にも関わらず、ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na不使用なので安全とうたっているシャンプーは要注意です。
なぜラウリル硫酸Naを使用したシャンプーがオーガニック認証を取れるかというと、原材料が植物由来だからです。
COSMOSなどのオーガニック認証では、シャンプーやコンディショナーは完成品の10%がオーガニック原料であればよく、95%以上が自然由来成分である必要があります。
ヤシ油から作られたラウリル硫酸Naは自然由来成分となるワケです。
ラウリル硫酸Naが危険だと言われている理由
ラウリル硫酸Naが危険だと言われている理由はいくつかありますが、ラウリル硫酸Naを悪者にして高級品を売ろうとする業者の戦略で広まった噂がかなりあります。
発がん性
ラウリル硫酸Naが危険だと言われ始めた背景には、発がん性があるという主張があります。
しかし、今のところ正式に発がん性が確認されたという事実はないそうです。
参考:Wikipedia
もし本当に発がん性や毒性があるのなら、国がとっくに使用禁止にしているはずです。
何十年も前から使われていますが、大問題が起きたという話は聞いたことがありません。
経皮毒
ラウリル硫酸Naが頭皮から浸透するという経皮毒が問題になったことがありましたが、これもデタラメです。
根拠として語られているのが、分子量が500以下のものは吸収されるというもの。
そしてラウリル硫酸Naの分子量は288です。
ですが、皮膚は何重にも重なったバリア構造でできているため、分子量が小さいからといって血液中にまで浸透することはあり得ないのです。
ラウリル硫酸Naは昔からずっと使われている成分であり、ある意味十分実績のある成分。
本当に経皮毒のようなことがあれば、とっくに使用禁止になっているのです。
シャンプーを含め、化粧品に皮膚の奥まで浸透するような成分は使えないのです。
ラウリル硫酸Naの髪と頭皮への影響
発がん性や毒性といった大きな問題はなさそうですが、髪にいい成分かというとそうでもありません。
髪質の悪化
洗浄力がかなり強いので、ラウリル硫酸Naメインのシャンプーだと髪も頭皮も乾燥してしまいます。
指通りが悪く、髪がぱさついて絡まりやすいという傾向があります。
皮脂の過剰分泌
洗浄力の強いシャンプーを使い続けていると、皮脂の分泌量が増えると言われています。
皮脂が不足した状態が続くと、頭皮が皮脂を補おうとして必要以上に皮脂を分泌するようになってしまう可能性があるんです。
確かに硫酸系のシャンプーを使っていたころは、夕方になるとおでこがベタベタになっていましたが、アミノ酸系に変えるとベタつきがなくなりました。
炎症
洗浄力が高い分、刺激も強いので、皮膚が弱い方だと炎症を起こしてしまう可能性があります。
僕も皮膚が弱いので、ちょいちょい頭皮に赤い吹き出物みたいなのができていました。
まとめ
ラウリル硫酸Naは、発がん性があるなどの毒性があるようなものではなさそうです。
そして最近では、より安全性の高いラウレス硫酸Naにほとんどが変わってきています。
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ラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naがメインの洗浄成分だと髪や頭皮には刺激が強すぎるでしょう。
ですが、ベタイン系やアミノ酸系の洗浄成分も一緒に使って洗浄力を緩和しているものもあります。
極端にこの成分が入っているから絶対ダメ!と決めつけずに、バランスを考えて選ぶ方がいいと思います。
アミノ酸洗浄成分だけのシャンプーだと、洗浄力がなさすぎて、それはそれで問題があったりするんです。
あまり宣伝文句や過剰な煽りに騙されないようにして、本当にいいシャンプーを見極められるようになりましょう!