パーマやブリーチなどのダメージで切れ毛や枝毛ができることは分かると思いますが、髪の毛の状態としてはどうなっているのでしょうか?
今回は、枝毛や切れ毛ができるとき髪の毛の構造はどうなっているのかについて解説していきたいと思います。
切れ毛、枝毛の原因
髪の毛は、4つの結合でたくさんのアミノ酸がくっついてできています。
4つの中で一番強い「ペプチド結合」が切れてしまうと、切れ毛や枝毛ができてしますのです。
切れ毛や枝毛と髪の構造の関係
下の絵のように、髪の毛は縦の結合と横の結合でできています。
縦の結合によってできるアミノ酸の鎖を主鎖と呼びます。
アミノ酸がたくさん集まってできたものをペプチドと呼ぶので、このアミノ酸同士を繋ぐ結合をペプチド結合と呼びます。
横の結合は3種類の結合があり、
- 水素結合
- イオン結合
- ジスルフィド結合
と呼ばれています。
後で詳しく説明します。
縦の結合を主鎖と呼ぶのに対して、横の結合を側鎖と呼びます。
縦の結合(主鎖)について
主鎖は真っ直ぐの線で表現しましたが、実際は水素結合によって螺旋構造を取ります。
これをαヘリックスと呼び、この構造をタンパク質の二次構造と呼びます。
αヘリックスは髪の構造の最小単位になります。
髪の構造を分解すると、下の絵のようになります。
αヘリックス同士も横の結合によって複雑にくっつくことで、三次構造を形成しています。
主鎖はその名の通りメインの結合なので、この結合が切れると髪が切れてしまいます。
縦のペプチド結合が4つの結合の中で最も強く、一度切れると元に戻ることはありません。
そのため、ダメージでペプチド結合が切れてしまうと切れ毛や枝毛になってしまうのです。
ブリーチとパーマを繰り返していたりすると、髪の毛を縦に引っ張ると伸びてちぎれてしまいます。
髪がハイダメージ過ぎて、主鎖が切れてしまった状態です。
横の結合(側鎖)について
側鎖は3つの結合、水素、イオン、ジスルフィド結合。
側鎖の強さがハリコシに関係しています。
これら3つの結合について、順番に説明していきましょう。
水素結合
3つの内、水素結合は水に濡れるだけで切れます。
髪が水に濡れると柔らかくなるのはそのためです。
切れても髪が乾けば再びくっつきます。
イオン結合
髪には等電点というものがあり、ph5前後の弱酸性の状態が電気的に安定している等電点となります。
このとき、イオン結合がくっついているのでしっかりした状態です。
髪のpHと等電点の関係。毛髪は弱酸性がいいんです!
髪は弱酸性の状態がいいと言われます。 髪が弱酸性になっていると、髪の電荷がゼロの安定した状態になっています。 この状態が等電点で、pHが4.5~5.5の状態です。 今回は、等電点とは何か? なぜ弱酸性 ...
これがアルカリ性に傾くとイオン結合が切れます。
パーマやカラーをするときにアルカリ剤を使うため、イオン結合が切れます。
ジスルフィド結合
3つの横の結合の中では最も強い結合です。
S-S結合とも言います。
パーマはこの結合を使っています。
一度ジスルフィド結合を切り、繋ぎ変えることでウェーブをかけます。
まとめ
縦と横の結合がしっかりしていることで、髪の毛の繊維が強くなり、一本の髪の毛を作っていることが分かりました。
横の結合は割と簡単に切れますが、再びくっつけることができます。
それに対し、縦の結合は一度切れてしまうと元に戻らない結合です。
パーマやカラーの繰り返しによるハイダメージ毛になると、髪の毛がヘナヘナになりすぐに切れてしまうのは、縦の結合が切れてしまっているからです。