シリコンが髪に良くないと言われる原因のひとつに、シリコンのコーティングが重なって蓄積する「ビルドアップ」があります。
ビルドアップすると、髪が硬くなったり、うねったり、そしてパーマがかかりにくくなったりすると言われています。
シリコンではありませんが、シリコンの代わりに使われているポリクオタニウム-10がビルドアップしたことがあって、その時は確かに少し硬くなったのと、トリートメントの効きが悪くなった感じはありました。
シリコンでも同じことが起こるのですが、シリコンにも種類があり、蓄積しやすいものとそうでないものがあります。
今回は、シリコンのビルドアップの原因と、対策方法をご紹介したいと思います。
目次
なぜシリコンが蓄積するのか
シリコンが髪に蓄積する理由は、すすぎをしっかりしていないからです。
特にコンディショナーやトリートメントは髪に少しぬめりが残っていた方が効果があると思っていませんか?
これをやってしまうと髪にシリコンが蓄積しやすくなります。
コンディショナーやトリートメントのすすぎは、髪に引っ掛かりが出る直前くらいまで、しっかりするようにしましょう。
もう一つはシャンプーの洗浄力の問題。
高級アルコール系とか硫酸系とか言われているシャンプーはダメだという風潮から、アミノ酸系の低刺激なシャンプーが増えてきていますが、洗浄力が弱すぎるのが問題になることもあります。
コーティングしたシリコンを洗い流せないからです。
そうしてどんどんシリコンが蓄積していってしまうということもあります。
特に、アウトバストリートメントや整髪料をしっかり使っている場合は注意が必要です。
蓄積しやすいシリコンの種類
一口にシリコンといっても、実はたくさんの種類があります。
もちろんそれぞれ特徴が異なるので、ビルドアップのしやすさにも差がでてきます。
シリコンの種類ごとにビルドアップのしやすさを見ていきましょう。
ジメチコン
一番よく見るシリコン。
ですが、ジメチコンと書かれていても、分子量によって特徴が異なります。
分子量というのは、分子がどれだけ沢山くっついているのかを示すもの。
分子量が大きいものほど髪にくっつくやすくなるので、ビルドアップしやすいと言えます。
でも、成分表示からは読み取れない。
分子量が大きくても小さくてもジメチコンと書かれてるんです。
シクロメチコン
環状シリコンと呼ばれる種類の低分子のシリコン。
なので、吸着性が小さく蓄積する心配はほとんどありません。
他の成分と混ざりやすくするために使われるようです。
アモジメチコン
アミノ変性シリコーンと呼ばれ、高分子でカチオン化されているので、吸着性が高いシリコンです。
その分コンディショニング効果が高い成分と言えます。
すすぎをしっかりしておかないと、ビルドアップする可能性があるでしょう。
その分、髪はとぅるんとぅるんになります。
アモジメチコンが使われているシャンプー(?)に、ロレアルのノーシャンプーがあります。
ジメチコンポオール、PEG-〇ジメチコン
ポリエーテル変性シリコーン。
ジメチコンに界面活性剤をくっつけたもの。
水溶性なので水に溶けやすい。
なので蓄積はしにくいでしょう。
ヒドロキシプロピル加水分解〇〇
だんだん難しい名前になってきました。
ちょっと例外的ですが、シリル化したPPT。
なんのこっちゃという感じですね。
PPTというのは髪を補修する成分ですが、水に馴染みやすいのでそのままではすぐに洗い流されてしまいます。
そこで、PPTにシリコンをくっつけるのがシリル化と呼ばれるもの。
シリコンが水をはじくので、PPTが流されにくくなるのです。
ドライヤーの熱でダメージ補修とかいうシャンプーやトリートメントってあるでしょ?
それに使われるような成分です。
シリコンの蓄積対策
シャンプーやコンディショナーを変えて、だんだん髪質が悪くなってきたなと感じたら、シリコンのビルドアップを疑ってみましょう。
対策方法は簡単で、洗浄力の強いシャンプーでしっかり目に洗えばOK。
被膜が取れますよ。
その後トリートメントしたら、いつもより効果がアップしたように感じるはずです。
ノンシリコンシャンプーでもビルドアップする
シリコンはビルドアップが怖いからとノンシリコンシャンプーにしても、結局同じことになりかねません。
はじめに少しお話しましたが、ノンシリコンシャンプーには、シリコンの代わりとなるコーティング剤が使われていることが多く、これがビルドアップするのです。
ポリクオタニウム-10という成分が良く使われていますが、これはカチオン化されているので吸着力が高いのです。
ノンシリコンにしたのに、逆にビルドアップしやすくなったってことになるかもしれません。
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まとめ
もし成分に気を使うなら、どんなシリコンが使われているのか、シリコンの代わりにどんなコーティング成分が使われているのかをチェックしてみてください。