前回はアニオン界面活性剤についてご説明しましたが、今回は逆の電荷を持つカチオン界面活性剤についてご説明します。
カチオン界面活性剤は、髪のコンディショニング作用があり、シャンプーにも使われますが、リンスやトリートメントに多く使われる成分です。
カチオン界面活性剤とは?
カチオンは英語ではCationと書き、陽イオンの意味です。
つまり、プラスの電荷を持った界面活性剤です。
髪は濡れた状態だとマイナスに帯電しているので、カチオン界面活性剤は髪に吸着しやすい性質を持っています。
その効果は、
- 静電気の防止
- 指通りの改善
- 髪を柔らかくする
- 殺菌効果
などがあります。
カチオン界面活性剤のメリット
髪に吸着しやすいので、髪のコンディショニング効果が高くなります。
髪の補修成分なども、カチオン化して、髪にくっつきやすくすることもあります。
シリコンの代わりに良く使われる「ポリクオタニウム-10」はカチオン化セルロースと呼ばれ、髪に吸着しやすくしているので、シリコンよりコーティング力が強いとされています。
ノンシリコンシャンプーでシリコンの代わりに使われている成分
ノンシリコンシャンプーでも、最近では髪がきしまないものも増えてきました。 そういったシャンプーにはシリコンに代わる別のコーティング成分が使われています。 良く見るのが「ポリクオタニウム-10」という成 ...
カチオン界面活性剤のデメリット
カチオン界面活性剤は、殺菌作用があるほど刺激が強い成分です。
リンスやトリートメントを頭皮に直接付けないようにと言われるのは、カチオン界面活性剤の刺激が強いためです。
髪にも吸着しやすいのですが、頭皮にも吸着してしまうので、すすぎをかなりしっかりしないと残留してしまいます。
そのため、頭皮のべたつきや炎症の原因になる場合もあるんです。
タンパク質の変性作用も強いと言われています。
髪の主成分であるタンパク質同士を繋いでいる水素結合やジスルフィド結合を切ってしまい、タンパク質の形を変えてしまうと言われています。
が、普通にシャンプーやトリートメントをしていて、「髪が変質して固くなって元に戻らない!」なんてことになったことがないので、あまり気にしなくていいでしょう。
カチオン界面活性剤の種類
代表的なものとして、
- ポリクオタニウム-10
- ベヘントリモニウムクロリド
- セトリモニウムブロミド
- ステアルトリモニウムクロリド
- ステアリルトリモニウムブロミド
- ベヘントリモニウムメトサルフェート
などがあります。
ポリクオタニウム-10は、ノンシリコンシャンプーのほとんどに使われています。
その他も含め、シャンプーのメインの成分になることはなく、髪の状態を整えるための補助的な役割で使われています。
ノンカチオンのレヴールゼロ
カチオンが頭皮にかゆみや炎症を起こす可能性があるということで、カチオン界面活性剤を使わないというのを売りにしたトリートメントがREVEUR0(レヴールゼロ)です。
ですが、シャンプーの方には石油系0%と書いていますが、カチオン0%とは書かれていません。
これはカチオン化セルロース(ポリクオタニウム-10)が使われているからです。
たぶん、シャンプーはノンシリコンにしたいから、代わりのポリクオタニウム-10を使わざるを得なかったのかなと思います。
では、トリートメントはどうしているかというと、シリコンが使われています。
新開発のSI aminoという言い方をしていますが、SIってシリコンのSIなんでしょう。
SI aminoは、
- ジメチコン(シリコン)
- アルキル(C12,14)オキシヒドロキシプロピルアルギニンHCl(アミノ酸系コーティング剤)
と書かれているので、シリコンとアミノ酸でSI aminoということなんですね。
なんか矛盾した商品ですよね。
トリートメントはカチオンフリーなのに、シャンプーには使われている。
シャンプーはノンシリコンなのにトリートメントには使われている・・・
いっそ、カチオンよりシリコンの方が安全だと言い切って、シャンプーもカチオンフリーでシリコン有りにした方が統一感が取れていいんじゃないかと思います。