髪はどんないいトリートメントを使ったって元に戻ることはありません。
傷んだ部分に補修成分を入れて元の状態に近くなるようにしているだけなんです。
でも、補修成分は髪の毛と一体化するわけではないので、シャンプーすると流れ出てしまいます。
そこで、補修成分をできるだけ髪に吸着して長持ちさせる方法として、化学修飾という方法があります。
元の成分にプラスαの機能を持たせるイメージです。
例えば、元の成分にカチオンの性質を持たせることをカチオン化といいます。
シリコンの代わりに使われているポリクオタニウム―10がそれで、カチオン化セルロースと呼ばれています。
セルロースにカチオンの性質(プラスの電荷)を与えることで、髪に吸着しやすくしています。
カチオン化セルロースの原理については、以下の記事で詳しく説明しているので見てみてください。
ノンシリコンシャンプーでシリコンの代わりに使われている成分
ノンシリコンシャンプーでも、最近では髪がきしまないものも増えてきました。 そういったシャンプーにはシリコンに代わる別のコーティング成分が使われています。 良く見るのが「ポリクオタニウム-10」という成 ...
ここでは、カチオン化以外の化学修飾について説明していきたいと思います。
アルキル化とは
ざっくり言うと、PPTのような内部補修成分に油性成分をくっつけること。
そうすると、PPTが髪の内部を補修しつつ、油分により疎水化、髪になじみやすくなります。
成分名では、
- イソステアロイル加水分解コラーゲン
- イソステアロイル加水分解シルク
などです。
さらに、アルキルカチオン化〇〇というのもあります。
カチオン化することで、傷んだ部分により吸着しやすくなるので、より効果的にダメージ補修できるようです。
(傷んだ髪はマイナスに傾いているため、カチオン化することで吸着しやすくなる)
シリル化とは
シリル化とは、シリコンをくっつけること。
「ドライヤーの熱で髪がきれいになります」とか言うタイプのやつだと思います。
PPTが髪のダメージホールに浸透し、表面をシリコンが覆うことで疎水化するのです。
熱を加えることで、シリコン同士がくっついて被膜を形成するので、ドライヤーをするとツルツルになるわけです。
成分名では、
- (ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン
- (ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解シルク
など。
エステル化とは
アルコールや油に溶けやすくすること。
トリートメントなどは油分が多いので、親油性がないと混ざり合わない。
エステル化することで、油分の多いものにも溶けて混じり合うようになります。
成分名では、
- 加水分解コラーゲンエチル
- 加水分解シルクエチル
など。