界面活性剤には大きく分けて4種類あることを以前ご紹介しました。
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今回はそのうちの一つ、ノニオン界面活性剤について解説します。
ノニオンとは英語で書くとnon-ionなので、イオン化しない、非イオン界面活性剤ということです。
以前記事にしたアニオンはマイナス、カチオンはプラスの電荷を持ったイオンになりますが、ノニオンはプラスもマイナスもないということになります。
ノニオン界面活性剤の特徴
ノニオン界面活性剤はイオン化しないので、他の物質に影響を与えない、また影響を受けにくいという特徴があります。
そのため、
- 酸やアルカリの影響を受けにくい
- 硬水や軟水の違いで差が出にくい
- 油汚れを落としやすい
- 乳化、分散、浸透に優れている
- 他の界面活性剤と併用できる
- タンパク質を変性させにくい
- 目にしみにくい
といったメリットがあります。
タンパク質を変性させにくいと一般的に言われていますが、タンパク質変性剤としてノニオン界面活性剤が使われますので、アニオンに比べれば変性させにくいという程度の問題でしょう。
普通にシャンプーしている分にはタンパク質の変性なんて気にしなくていいと思います。
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ノニオン界面活性剤のデメリット
ノニオンは洗浄力が弱いと言われています。
そのため、シャンプーのメインの洗浄成分には使われず、補助的な役割で使われているんですね。
ですが調べてみると、実はノニオンの方がアニオンより洗浄力が高いようです。
ノニオンは洗浄力を発揮するまでに時間がかかるため、短時間ではアニオンの方が洗浄力が強いようですが、時間が経過するとノニオンの方が洗浄力が高いようです。
こちらの記事だと、ノニオンがアニオンの洗浄力を追い越すのは4分後のようなので、シャンプーしてる時間を考えるとアニオンの方が洗浄力が高いということですね。
シャンプーにおけるノニオン界面活性剤の役割
シャンプーでは泡立ちアップのために良く使われています。
アミノ酸系シャンプーの洗浄成分でよくあるパターンとして、
- ラウロイルメチルアラニンNa(アミノ酸)
- コカミドプロピルベタイン
- コカミドメチルMEA(ノニオン)
というのがあります。
例えば、アミノメイソンなんかがこのタイプです。
アミノ酸+ベタインで低刺激なのですが、泡立ちがよくないのでノニオン界面活性剤を加えて泡立ちを良くしているんですね。
ノニオン界面活性剤の種類
シャンプーでよく見るノニオン界面活性剤をピックアップしてみました。
- グリセリン脂肪酸エステル
- ソルビタン脂肪酸エステル
- PCAイソステアリン酸PEG-40水添ヒマシ油
- デシルグルコシド
- ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル
- ラウリン酸ポリグリセリル‐10
- ラウラミドDEA
- コカミドDEA
- PPG-2コカミド
- コカミドメチルMEA
- パーム核脂肪酸アミドDEA
特に良く目にするのが、コカミドDEAやコカミドメチルMEA。
アミノ酸系シャンプーの泡立ちアップに使われています。
まとめ
ノニオン界面活性剤がシャンプーの特徴を大きく決めることはありません。
補助的な役割で使われることが多いのです。
アニオンやカチオンに比べれば刺激は少ない成分ですが、メインの洗浄成分として使われることはないでしょう。
シャンプーを選ぶときにそれほど気にする成分ではなさそうです。