髪の指通りを改善させる方法として一番簡単なのが、シリコンなどによる髪のコーティングです。
髪が傷んでキューティクルが剥がれていても、髪の表面をツルツルにコーティングすれば摩擦が減って引っかかりにくくなります。
傷んだ髪ほど髪の毛が弱くなっているので、ブラッシングなどで引っかかったり、絡まったりすると切れ毛になりやすくなります。
なので、髪の表面を皮膜でコーティングしておいた方がいいんです。
それでは、髪のコーティングの種類や方法について詳しく紹介していきます。
目次
傷んだ髪はキューティクルが剥がれている
キューティクルは、髪の毛を包んでいる外側の薄い膜です。
パーマやカラーをすると、一気にキューティクルは剥がれていきますし、何もしていなくてもタオルドライやブラッシングの摩擦などで徐々にキューティクルはダメージを受けます。
なので、長い間ダメージに晒された毛先に近いほど、キューティクルは剥がれているんですね。
キューティクルが剥がれていなければ、指通りもよくて引っ掛かりや絡まりが少なくなります。
また、髪の内側から水分や栄養分が流れ出すのを防いでくれます。
キューティクルをできるだけ剥がれないようにするための方法は、こちらの記事を参考にしてみてください。 キューティクルは髪の外側を覆っている薄い膜です。 キューティクルが剥がれることで、髪のダメージが始まります。 キューティクルが整っていると、ハリもツヤもあって指通りも良くなります。 キューティクルのケ ...
キューティクルが剥がれないように補修する方法
髪の傷みが激しいとシリコンが効かない
髪が激しく傷んでいて、キューティクルが剥がれてしまっていると、シリコンが髪に吸着しにくいと言われています。
確かに、髪が傷んでいるとコンディショナーの量を増やさないと、指通りがやくなりませんでした。
逆に、ダメージが少ないときは、少量のコンディショナーでも髪がツルツルになります。
なので、コンディショナーを使っても指通りが全然改善しないという場合は、キューティクルがかなり剥がれてしまっている可能性があります。
その場合は、髪の毛にキューティクルの代わりとなる疑似キューティクルを付ける必要があります。
キトサンで擬似キューティクルを作る
一度剥がれてしまったキューティクルは元に戻ることはないので、擬似的にキューティクルを付ける必要があります。
擬似キューティクルをして働くことができる成分がキトサン(表示名:ヒドロキシプロピルキトサン)です。
キトサンは、エビやカニの殻から抽出したキチンが元になっています
キチンとは、古代ギリシャ語のchiton(キトン)が語源で、服を意味します。
髪の毛に皮膜を付けるのが、まさに服を着せるイメージにぴったりですね。
このキチンを熱処理して取り出した食物繊維がキトサンです。
キトサンは、網目状の薄いフィルムのような構造をしています。
このフィルムを髪の毛一本一本にまとわせることで、キューティクルの代わりに!
そして、この網目の隙間に補修成分を入れることができます。
例えば、18-MEAやPPTを入れることで、髪の表面の摩擦を減らしてツヤをアップさせたり、傷んだ髪の内部を補修することができるのです。
こんな感じ。
キトサンを使ったヘアケアの効果
キトサン配合のシャンプーにはDIVINETIMEなどがあります。 ディバインタイムのシャンプーを使ってみました。 低刺激、オーガニック認証成分配合と、成分にこだわったシャンプーのようです。 キューティクルのケアもできるということですが、どのような仕上がりになったので ...
DIVINETIME(ディバインタイム)シャンプーのレビュー
ツルツルでサラサラになりました。
キトサンはアレルギーが出ることも
キトサンは、エビやカニのアレルギーがある場合には反応が出る可能性があります。
ただ、大阪市が調べたデータによると、キトサン配合の商品でも、アレルギーの元になる甲殻類タンパク質は検出されなかったとあります。
参考:甲殻類を原料とした市販健康食品における甲殻類タンパク質および機能性成分の測定
とはいえ、全ての商品を調べたわけではないので、甲殻類のアレルギーがある方は避けておいた方が無難かもしれませんね。
カチオン化ポリマーによるコーティング
髪のコーティングで良く使われるものに、ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロースがあります。
Hydroxy-Ethyl Cellulose、略してHECと呼ばれます。
難しいことは僕も分かりませんが、セルロースを水に溶けやすくしたものです。
ちなみに、セルロースは食物繊維から作られる高分子です。
HECは皮膜を作ることができます。
ノニオン性(イオン化しない)ので、低刺激だと言われています。
低刺激な分、吸着性が弱いので、吸着性を上げてコーティング力をアップさせたものがあります。
それがポリクオタニウム-10(塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース)と呼ばれるものです。
ポリクオタニウム-10は、ノンシリコンシャンプーに、シリコンの代わりとしてほぼ使われている成分です。
ノンシリコンシャンプーでシリコンの代わりに使われている成分
ノンシリコンシャンプーでも、最近では髪がきしまないものも増えてきました。 そういったシャンプーにはシリコンに代わる別のコーティング成分が使われています。 良く見るのが「ポリクオタニウム-10」という成 ...
HECをカチオン化することで吸着力をアップさせています。
カチオン化とは、プラスの電荷を持たせることで、髪への吸着性をアップさせています。
髪は濡れるとマイナスの電荷が帯電するので、プラスの電荷を持ったものとくっつきやすいのです。
※ブドウ糖はセルロースのことね
コーティング力はアップしますが、頭皮にも吸着しやすいので、HECより刺激が強くなってしまいます。
傷んだ髪もマイナス側になっているので、傷んでいる部分に吸着して保護することもできます。 髪は弱酸性の状態がいいと言われます。 髪が弱酸性になっていると、髪の電荷がゼロの安定した状態になっています。 この状態が等電点で、pHが4.5~5.5の状態です。 今回は、等電点とは何か? なぜ弱酸性 ...
髪のダメージと電荷の関係は以下の記事を参考にしてください。
髪のpHと等電点の関係。毛髪は弱酸性がいいんです!
まとめ
傷んだ髪はキューティクルが剥がれてしまっているので、そのままにしているとダメージがさらに進行してしまいます。
ですが、剥がれてしまったキューティクルが元に戻ることはないので、疑似的なキューティクルを付けて保護する必要があります。
擬似キューティクルとして効果があるのがキトサン。
美容室でのトリートメントで使われているようですが、市販品でもあります。
皮膜効果が高く、ツルツルでサラサラな髪になりました。